教科書の国際比較された報告書についてのメモ
第3期科学技術基本計画
のフォローアップ「理数教育部分」に係る調査研究という国立教育政策研究所の報告書を読んだメモです。2009年3月の報告書です。
デジタル教科書やら教育の情報化に関連して調べた際の個人的なメモなので、細かいところはオリジナルの報告書を参照してください。まちがっとるやんけ、とかありましたらご指摘ください。特に入試周りは胡散臭いです。
#というか、途中で力尽きた感があります。。。
この報告書は、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、フィン
ランド、韓国、中国、台湾の理科、数学の国際比較を行ったものである。前半
は、各国の教科書・教育制度についてのまとめ、後半が2教科の教科書の内容比
較である。
○教科書の方向性の違い
- 教科書の使用状況
大まかに欧米とアジアで異なるのは、大学入試に向けた勉強が重視されるか否か
という点である。
日韓中台は、教科書の使用が義務づけられており、教科書も国定ないしは検定教
科書で採択権限は学校以上のレベルである。一方、欧米は(国によって異なる
が)、教科書使用の義務は無く、教師が選べる場合も多い(英仏芬)。特に、フランスは教科書を通しで使う先生が25%というデータが(少し古いようだが)ある。
- 義務の国
・日本、韓国、中国、台湾
- 義務が無い国の使用状況
・教科書中心:アメリカ、イギリス、フィンランド
・教科書は教材の一つ:カナダ
・自由:フランス、ドイツ
- 教科書の持ち帰り
欧米の多くでは、無償貸与なため持ち帰りはしないことが多い。場合によっては
初めから家に置くことも。
持ち帰りする国は、日本、フィンランド、中国。韓国、台湾も無償給与もしくは
有償なので持ち帰りはできるかもしれない。イギリスも、Sixth formは持ち帰る。
- 教科書と情報化
アメリカは教科書の部分部分にパスコードがあり、教科書会社のサイトで関連情報などを調べられるようだ。自宅学習をWebで行うことも多いため、教科書の選定基準の一つに、Webを利用した学習の利用料の値段がなってくるとのこと。イギリスではWebの情報を授業に活用している。また、韓国は国が開発した教材データベースが活用されている。数学はコンピュータによる作図や定理の検証などを行われているようだ。
○大学入試の違い
- 入学試験無し
・高校卒業試験のみ(ドイツ)
・筆記試験無し(カナダ)
- 入学試験はあるが教科書と関係が弱い
・論述試験のみ(フランス)
・教科書と直接対応なし(アメリカ)
・教科書が十分カバー(フィンランド)
- 入学試験あり
・GCE・Aというコースと筆記試験の統一試験(大学の教養のようなもの)(イギリス)