愛がいない部屋
ISBN : 4087463044
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掴まされた。
今度は悪い意味で。懲りずに買ってしまった。恋愛小説フェア(笑)がやっていたので、なんとなく買ってしまった。帯をしっかり読めば良かった。
「DV、セックスレス、不倫。切なく胸を締め付ける恋に、光は射すのか――。」
この帯で避ければ良かった。1ポンドの悲しみなどで良い印象を持っていた氏の恋愛小説だが、この作品は毛色が違う。私にはあわない。
全てが女性視点で書かれていて、男がダメなのだ。しかも、それが全て女性に悪い部分はないように描かれている。そして、出てくる男性は大抵「仕事に生きている」のである。それが、非常にリアルなのである。つまり、自分もこの男と同じように堕ちてしまうのではないか、そういう不安をかき立てられる。特に、最後の表題作「愛がいない部屋」では、「あの手の男は、みんな最初のうちはそうなのよ。それで手のひらを返す」「所帯をもった最初のうちは、敵も尻尾をださないものよ」など、強烈な言葉が投げかけられる。
一方的に攻められる気がして、良い気分ではない。おかげさまで大分落ちた。小説に求めているのは爽快感というエンターテイメントなので、ちょっときつかった。