落語百選 夏
ISBN : 4480034528
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落語を読むのは(聞くのも含めて)本書が初めてであった。それまでは、何とも言えない距離を感じていたのは事実である。「きっとわからないだろう」とか、「現代の話でも面白いんじゃない」とかいう具合に。元々時代物のお話も得意なほうじゃあなかったのもある。
本書は、そんなことはどうでも良くて楽しめる本である。人々の日常の中から面白いことをちょっと誇張して切り取ってきた、という漢字である。本の中には、誰かを貶めるような話はまずない。最近のメディアから垂れ流されてくる人を小馬鹿にしたような笑いとは一線を画す。というか、本来何かを見下したものは笑いではないのだろう。
閑話休題。とにかく、笑いの中にも人々の息づかいや心配りが感じられて、気楽にしかし楽しく読める。オススメ。