アキハバラ@DEEP
ISBN : 4167174111
スコア選択: ※※※※※
まず、今まで石田衣良を舐めていた。
プロローグで描写される秋葉原は、少し古くさい要素はあるにしろ、素晴らしい。ただの、はやりに乗っただけかと思っていたが、そうでもない。むしろ詳しすぎる。熱収縮チューブなんて一般人しらないよ。
話としては、以前も書いたかもしれないが、キャラクターが非常に生きている。まず、開始直後に事故死してしまうユイさんは言葉が重い。詳細は以前書いた日記を参照して頂きたいが、コンプレックスを感じるすべての人に届いて欲しい。
そして、コンプレックスといえば、ページとタイコの二人が誘拐されたときの取った行動が素晴らしすぎる。普通は、吃音などという要素は憐れみの対象であれ、武器になるということはないだろう。そこで、作者はこれらのWeekPointを武器にかえてしまった。
少しまどろっこしい部分もあるかもしれないが、基本的に勧善懲悪(クルークが善悪かはわからないが)ものであるので、すっきりとした読後感である。秋葉原という単語に反応してしまうデジタル好きなら読んでみると良いかもしれない。